淳心学院の教育改革

淳心学院の教育改革

2015/09
日本の誇るべき力

 今回は朝日新聞8月4日付け紙面に載った、アメリカの日本戦後史研究者ジョン・ダワー教授のインタビュー記事を紹介したいと思います。戦後70年にあたって非常に示唆に富んだ内容だと思うからです。題はインタビュー記事のものです。まず戦後日本が成し遂げたこと、評価できることについて問われて彼は「世界中が知っている日本の本当のソフトパワーは、現憲法下で反軍事的な政策を守り続けてきたことです。」と答え、その理念がどこから生じたのかについて「日本のソフトバワー、反軍事の精神は、政府の主導ではなく、国民の側から生まれ育ったものです。敗戦直後は極めて苦しい時代でしたが、平和と民主主義という言葉は、疲れ果て、困窮した多くの日本人にとって、とても大きな意味を持ったのです。」と答えています。戦後日本がおこなってきたことで世界に評価されるのは、憲法に基づいた軍事に関わろうとしない姿勢だという指摘は非常に素晴らしい指摘だと思いますが、多くの日本人にとってふだんあまり意識していない事柄かもしれません。ダワー教授はさらにその精神、理念は政府ではなく一般の民衆が支持し支えてきたと指摘しています。私は戦後の日本人が平和と民主主義を強く支持してきたのは、国策としての戦争に国民こぞって協力しながら300万人という膨大な犠牲者をだして完膚無きまでに敗北し、国土は焦土と化し国民は食料不足で飢えに苦しむというていたらくにおとしめた無能な政府に対する怒りと悲しみが、「二度と戦争はごめんだ」という腹の底からの想いを生み出したものだと理解してきました。そこには戦地から帰還した兵士たちの戦地での日本軍の残虐行為、非人間性に対する深い反省、食料不足による飢餓(兵士の戦病死の半分以上は戦闘によるものではなく、栄養失調による病死だともいわれている)をもたらした軍、政府に対する怒り、さらに銃後を守った女性、子供たちの空襲、原爆の被害の悲惨さに対する怒りと悲しみなど様々な想いが積み重なっていると思います。

 さらにダワー教授は日米の外交関係について「戦後日本の姿は、いわば『従属的独立』だと考えます。独立はしているものの、決して米国と対等ではない」と言っています。これは私たち日本人が深く、真剣に考えなければならない問題だと思います。そして最後に彼は「繰り返しますが、戦後日本で私が最も称賛したいのは、下から湧き上がった動きです。国民は70年の長きにわたって平和と民主主義の理念を守り続けてきた。このことこそ、日本は誇るべきでしょう。一部の人たちは戦前や戦時の日本の誇りを重視し、歴史認識を変えようとしていますが、それは間違っている」と述べています。これは自分自身、戦後民主主義の申し子として育ってきたという自負のある私にとっても非常に勇気づけられる言葉です。そして彼は憲法改正についての女性の役割について次のように発言しています。女性の方はどう思われるでしょうか。「朝鮮戦争の頃、国務長官になるジョン・ダレスは、憲法改正を要求してきました。吉田首相は、こう言い返した。女性たちが必ず反対するから,改憲は不可能だ。女性に投票権を与えたのはあなた方ですよ。と。」なおダワー教授には日本の戦後を取り扱った「敗北を抱きしめて」という優れた著作があります。

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