淳心学院の教育改革

淳心学院の教育改革

2015/10
安保関連法案の可決について

  国論を二分した安保関連法案が国会で可決されました。これについて反対の立場から少し感想を書かせていただきます。

  安全保障が国家の存立にとって非常に重要な分野であることは間違いありません。今回の問題は去年、安倍内閣が集団的自衛権は違憲であるという従来の内閣の見解を覆して、合憲であるという閣議決定をおこなったことから始まりました。自衛権には個別的自衛権と集団的自衛権の2種類があり、この違いは重要です。個別的自衛権とは外国から自国が攻撃されたらそれに反撃する権利で、個人の正当防衛と同様でいやしくも独立国であるならばすべての国が保有する権利です。日本としてもこれの行使は何ら問題はありません。日本の安全保障は日米安保条約によって日本がアメリカに基地を提供す見返りにアメリカは日本防衛の義務を負っていますから、もしある国が日本を攻撃したら日本の自衛隊とアメリカ軍が共同で対処することになるでしょう。またこの条約によって日本がアメリカの「核のカサ」の下にあることは自明ですから、この条約が日本を攻撃しようとする国にとって抑止力となっていることは事実だと思います。しかしいずれにしても日本が外国から直接攻撃を受けた場合は、すべて個別的自衛権で対処できますから集団的自衛権は必要ありません。

  これに対し今回安倍内閣が成立させた安保関連法案は、集団的自衛権に基づいて自衛隊が海外で武力行使をすることを認める法案です。集団的自衛権というのは軍事同盟関係にある国々が、同盟の利害に基づいて共同で武力行使をおこなう権利ですから、日本が直接攻撃されていなくても海外に自衛隊が派遣されて武力行使をおこなうことがありうるわけです。具体的には日本の同盟国はアメリカですから、アメリカの利害にもとづいた紛争に自衛隊が派遣される可能性があります。いわゆる「アメリカの戦争に日本が巻き込まれる」事態が十分想定されるわけです。そうした事態になれば最悪の場合自衛隊員に犠牲者がでることもありうるわけで、そこまでしてアメリカの要求に応える必要があるかどうか疑問です。

  またこの法案の成立によって安倍首相、自民党、賛成の論者の人々は日本の抑止力が増した、より安全な国になったと言っています。しかしありていにいってこの人たちが考えている日本を攻撃する可能性のある国は中国だと思いますが、中国にとって日米安保条約はすでにそれなりに抑止力になっているわけで、ここで日本がアメリカに追随して海外に自衛隊を派遣することができるようにしたところで抑止力が増したと考えるのは、はなはだ疑問だと思います。安倍内閣が多くの学者、識者の安保関連法案は違憲であるという声を無視し、また国民の半分以上が反対している法案を強行採決したことが将来に禍根を残すことにならないか憂慮されます。

 

学校案内
中学入試について
淳心教育の特色
進路
学校生活
学校法人淳心学院中学校・高等学校
〒670-0012 兵庫県姫路市本町68 TEL:079-222-3581 FAX:079-222-3587

デジタルパンフレット