淳心学院の教育改革

淳心学院の教育改革

2016/06
グローバル教育について

  4月下旬に東京で「カトリック学校校長・理事長の集い」という催しに参加しました。毎年おこなわれているのですが、今年のテーマは「カトリック学校におけるグローバル教育」でした。昨今グローバル教育という言葉をよく耳にします。基本的な意味は現在のグローバル化した世界に適応した人間を育成する教育ということだと思います。グローバル化した世界に適応した人間の育成というのは、まずは日本人と価値観の異なる外国人と仕事をしていくことができる人間の育成ということになるでしょう。これからの時代、海外においても日本においても外国人と一緒に仕事をすることは避けられません。その場合、語学力、コミュニケーション能力、そして日本人と異なる相手の価値観を理解する能力が必要になるでしょう。さらにこれからの世界・社会はこれが絶対に正しいという唯一解のない社会になります。そうした中で活躍していくためには、世界の人々と一緒に協力しあって世界のさまざま問題を創造的に解決していく能力が求められます。今までの既存のやり方ではなく、新しい課題解決方法を考え出す能力が必要とされるということです。

  これに関連して文部科学省は2020年度からの大学入試改革を計画しています。今回の大学入試改革で文部科学省が目指しているのは、今まで以上に思考力、判断力、表現力を問うものにしていこうということです。私は人間を育てる方向性として思考力、判断力、表現力を重視するという方向性は間違っていないと思います。さまざまな問題に対処していく場合、自分の頭で考えて、自分の意見を表明し、行動に移していくというのは必要なことだと思うからです。ただ今までの日本の教育のやり方はこれらの能力を重視してきたとはいえません。基本的に教師の教える知識や公式などを正確に暗記・理解し、さまざまな試験の問題解決能力を高めていくということが教育現場でおこなわれてきたことだと思います。さらに日本の教育では学年・クラスといった集団の和を重視し、集団として力を発揮できることが大事にされてきました。そうした中では個性の強さ、自己主張の強さというのは必ずしも歓迎されなかったのは事実です。

  しかし今、思考力、判断力、表現力を育成するのに有効と考えられている授業の方法として「アクティブラーニング」という方法があります。「アクティブラーニング」とは、教師による一方的な講義形式の授業ではなく、生徒が授業に能動的に参加して課題解決能力の育成をはかるもので、グループディスカッションやディベートなどを取り入れた授業というように説明されています。つまり「アクティブラーニング」とは「対話」や「検討」を中心にした授業で、この授業では人と異なった意見を表明することが重視されます。こうした授業のやり方は日本ではあまり馴染みがありませんが、欧米では普通のやり方だと思います。ですから今、文部科学省が進めようとしている方向性は日本の教育システムを欧米のものに近づけようとしているといっていいかもしれません。

  私はこの方向性に先程も書いたように必ずしも反対ではありません。ただ教育のシステムを変えるということは、まず生徒を教育する教師から変わらなければなりませんが、私を含めて現場の教師は「アクティブラーニング」の養成を受けていません。ですから本格的にこうした方向性に変えていくのであれば、まず教師の養成から始めなければなりません。これはなかなか大変な作業です。そしてこうした教育システムの変化は日本人の教育観を大きく転換させるものになるかもしれません。文部科学省が進めようとしているこうした方向性が確固としたものになるかどうか、これからいろいろ紆余曲折があると思います。私たちはそれをしっかりと見守っていかなければならないでしょう。  

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